この記事で得られること
この記事で得られることは下記のとおりです。
忙しい日常でも、短時間で手軽にしっとり柔らかい鶏胸肉が作れる
科学的根拠に基づいた簡単な調理法がわかる
適切な保存方法と期間がわかる
飽きずに食べられるアレンジを知ることができる
では、私のズボラ調理法をご紹介しましょう。
もうパサパサさせない!料理初心者でも短時間でしっとり茹で鶏ができるズボラ調理法
鶏胸肉は高タンパク・低脂質・家計に優しいという三拍子揃った食材です。育ち盛りのお子様にはもちろん、ダイエットを成功させたい主婦の方にもうってつけ。
しかし、多くの人が鶏胸肉を調理する際にこんな悩みを抱えています。
「時間がかかって手間が多い」 「パサパサで硬くなってしまう」
でも安心してください。この記事を読むことで、そんな悩みはもう解決します。
ズボラ調理法7つの特徴
- 特徴1.冷蔵庫から出してすぐ調理できる
- 特徴2.下ごしらえに使う塩などの使用量が少ない
- 特徴3.塩などに直接触れないので手が汚れにくい
- 特徴4.調理前の手間が少ない
- 特徴5.調理器具が少ない(私は包丁も使いません)
- 特徴6.時間管理がシンプル
- 特徴7.水と光熱費の削減
しっとり茹で鶏ズボラ調理法3ステップ
STEP2.加熱
STEP3.余熱
STEP1.はぐ・切る・叩く
皮をはがす
はいだ皮を捨てるのはもったいないという人は「鶏皮チップス」にするのは如何でしょうか。
レンジで簡単!サクサクおいしい鶏皮チップス
厚い部分を切り離す
普通は観音開きにしますが、私は切り離します。薄い側から厚みのある側に向かって切るとやりやすいです。
観音開きではなく切り離す理由は4つあります。
- 包丁ではなくキッチンばさみを使うから
- キッチンばさみでは観音開きにすると「谷」の部分ができやすいので難しい
- 観音開きにすると面積が増えた分、大きな鍋が必要になる
- 包丁でも綺麗に観音開きにするのは難しい
- 切り離すほうが早くて簡単
「谷」ってなに?
それは肉を開いた中央にできるクボミのことです。
本を開いた時のことを思い出してみてください。中央が縦側にクボんでいますよね。肉料理の下ごしらえで観音開きをすると、本を広げた状態になりやすいのです。
クボミがあると厚みが不均一になり熱の入り方にムラができてしまいます。叩いて均一にする作業はもちろん行います。ですが、この段階でもなるべく均一にするほうが好ましいです。
叩く
厚みの目安は「親指1本分」
私はキッチンばさみを逆さに持ち、取っ手部分でトントン叩いてしまいます。当然、キッチンばさみを綺麗に洗っていることが前提です。
キッチンばさみの取っ手部分でもコツさえ掴めばそれなりに均一にできます。
「親指1本分」くらいの厚みだと余熱時間を少なくできます。
これで下ごしらえは完了です。
STEP2.加熱
鍋に「水だけ」を入れて加熱を始める
- 1.鍋に鶏胸肉を平らな状態で入れる(胸肉同士が重なってもOK)
- 2.鶏胸肉が浸るまで水をいれる
鶏胸肉は重ならないのが理想です。しかし、2枚の鶏胸肉でも平らに並べると30㎝以上の鍋または深型フライパンが必要になります。
鍋の重量+水の量でかなり重くなります。水の無駄遣いになりますし、筋力も必要になり、光熱費も上がります。
我が家の場合
私は22cmの鍋に600~800mlの水を入れて、4枚の鶏胸肉(1200~1500g)を茹でます。
鶏胸肉が重なってしまいますが次のような順番で重ねれば熱の入り方が均一に近くなります。
中段:比較的薄い部位
上段:切り離した部位
水が温まってきたら料理用日本酒と塩を入れる
水を入れた鍋を加熱します(鶏胸肉はまだ入れないで下さい)。しばらく経ったら料理用日本酒と塩を入れます。軽く沸騰してからでも構いません。
しお・だいいち さけ・だいさん
- 水1リットルあたり塩大さじ1
- 水1リットルあたり料理用日本酒大さじ3
普通の日本酒と料理用日本酒の違い
お子様に食べさせても大丈夫?離乳食にしても大丈夫?
上記の疑問はQ&Aにまとめてあります。気になる方はご覧ください。Q&Aにジャンプ
沸騰したら鶏胸肉を入れて1~2分加熱
小さめの鍋を使う場合のポイント
小さめの鍋だと肉が重なってしまい熱の入り方が不均一になりがち。その場合は下記のように対処しましょう。
中段:比較的薄い部位
上段:切り離した部位
鶏胸肉を鍋に入れた後の2パターン、どちらが正解?
実はどちらも失敗しやすいです。
柔らかく仕上がります。しかし火を止めた後に行う余熱時間が長すぎます。15~20分と説明されていますが生煮え状態になるのは間違いありません。少なくとも1時間待たなければ中まで熱は入らないでしょう。
ただ、生煮え部分が多いと長時間かけても中まで熱が通らないので、やはりある程度の加熱は必要です。
こちらは逆に固くなります。10分の余熱では生煮え部分がチラホラ見られます。かといって15分の余熱だと結構カチカチになってしまいます。
再沸騰させると余熱の時間管理が難しくなるということです。故に再沸騰するまで加熱するのはやめたほうが無難です。
STEP3.余熱
火を止めて「必ず鍋蓋で密封して」20分待つ
余熱では必ず鍋蓋をしてください。落し蓋ではなく、できるだけ密閉状態を保てることが重要です。私はダイソーのシリコン蓋を使用しています。
余熱時間は20分が無難
余熱の時間ですが、15分では少ないです。20分なら丁度良く仕上がります。
厚みによっても違うのであくまでも目安です。ただ、ここで生煮え部分が残っていても対処法がありますので安心して下さい。
取り出し、切って確認する
蓋をした鍋で20分余熱したら取り出します。
茹で汁を使用しない場合
鍋ごとザルにザーッと流しましょう。
茹で汁を使う場合
トングで鶏胸肉を取り出してザルへ。
その後、キッチンペーパーで水分を拭き取ると良いでしょう。私は拭き取らずにそのままにしています。
取り出したら切り分けます。ちゃんと中まで熱が伝わっているか確認するためです。食べる際に切ることになるので、この段階でやっておいたほうが良いです。
私はキッチンばさみで無造作に切り分けます。そうすると大体一口サイズになります。ただし、熱いのでトングで挟みながら切ることをオススメします。
包丁の場合は何とか素手で押さえながら切ることができると思います。
全体的に白っぽくなっていたら成功です。「ピンク色」が残っていたら生煮えなのでもう少し熱を加える必要があります。
もし「ピンク色(生煮え)の部分」が残っていた場合
1.そのまましばらく放置
30分もあればピンク色が消え白っぽくなります。食べるタイミングが30後なら丁度良い仕上がりになるので、特に手間を加える必要はありません。
2.別の調理に加える
例えば、モヤシを茹でて生煮えの部分に乗せます。モヤシは炒めても良いですが、残った茹で汁を使うと無駄が省けます。
茹でたモヤシと柔らかい鶏胸肉をポン酢で食べるとおいしいです。マロニーや春雨でも相性が良いです。
調理後の保存方法と消費期限
1.密閉容器やジップロック袋に入れる
茹でた鶏胸肉を完全に冷ましてから、密閉容器やジップロック袋に入れて保存します。密閉することで空気を遮断し、細菌の増殖を防ぎます。
密閉したら「冷蔵」もしくは「冷凍」します。
2-A.冷蔵保存
密封した鶏胸肉を冷蔵庫に入れます。これで2~3日はもちます。
2-B.冷凍保存
密封した鶏胸肉を冷凍室に入れます。冷凍の場合、できるだけ平たくカットして「個別に」ラップで包み、空気をしっかり抜いて密閉容器やジップロック袋に入れると良いでしょう。
空気を抜くことで酸化と冷凍焼けを防止できます。冷凍なら約1ヶ月間保存可能です。個別にラップで包んでおくと必要な分だけ解凍できます。そうすることで残りの部位を無駄に解凍されるのを防げます。
オイルコーティングで空気との接触をさらに防ぐ
オリーブオイルやごま油でコーティングすることで空気との接触を防ぐことができます。油の膜が肉を覆うため、酸化を防ぐとともに風味を保つことができます。
2.出来るだけ低脂質にしたい
3.食べる際に味付けを決めたい
4.一日のトータルで脂質摂取量を決めたい
オイルコーティングの際にオススメなのがスプレーボトル
ボトルから直接オイルを入れるのも良いですが、私はスプレーボトルに詰め替えて使うことをオススメします。スプレーボトルを使うとまんべんなくオイルを塗ることができますし、分量も節約できるからです。
脂質をあまり摂りたくない
といった場合にはスプレーボトルが活躍してくれます。
オススメのスプレーボトルは「レバータイプ」。「プッシュ(上全体で押し込む)タイプ」は使いづらいです。一番使いやすかったのがスプレー機能とボトル機能を兼ね備えた商品。いつも焼料理で大活躍しています。
販売ページのリンクを貼っておきますね。レバーが軽く、綺麗に霧状になり、20cmのフライパン程度の面積ならくらくカバーできます。
しっとり柔らかな仕上がりと食中毒防止を両立させる科学的根拠
肉のタンパク質が固くなる温度とは
鶏胸肉をしっとりと柔らかく仕上げるコツは何と言っても余熱です。その理由を科学的にご説明しましょう。
- 肉のタンパク質は温度によって異なる変性温度がある
- 鶏肉のタンパク質の変性温度は約65~75度
- 80度以上の高温で急激に加熱するとタンパク質が急速に凝固し肉が硬くなる
- 沸騰したお湯に鶏胸肉を入れ1~2分加熱後に火を止めると丁度よい温度になる
加熱時間と余熱時間の目安
余熱調理での不安は生煮えです。生煮えは食中毒の危険があるので避けたいところ。
でも安心して下さい。菌を死滅させる方法を科学的に知れば、食中毒のリスクを格段に下げながら柔らかく仕上げることができます。コツは加熱時間と余熱時間の管理です。
- 食中毒の原因である細菌が死滅する温度は70~75度(75度以上推奨)
- 鶏肉のタンパク質の変性温度は約65~75度
- 沸騰したお湯に鶏胸肉を入れて1~2分加熱
- 火を止めて蓋をして15~20分待つと殺菌と柔らかさを両立する温度になる
肉の中心温度が75度になるように茹でると、最適な火の通り具合になります。これは、食品が安全で、かつおいしく食べられる温度として推奨されています。
(出典元: 食品安全委員会「低温調理と食材の加熱状態の関係」)
おいしさと鮮度が長持ちする保存方法の科学的根拠
1.細菌が活発に増殖する温度域
まずは細菌が活発に増殖する温度域を知りましょう。
- 5~60度(出典元: 厚生労働省「食品の安全と安心」)
つまり、真冬以外はそのまま置いておくと菌が増殖しやすいということです。真冬でも暖房を使用しているでしょうから、室内は5度以上なのは確実。冷蔵や冷凍は必須と言えます。
2.空気に触れることによる鮮度の違い
保存中に食材が空気に触れると、酸素によって酸化が進み、食材の風味や栄養価が損なわれます。特に酸化は脂質の酸化や細菌の増殖を促進するため、食材の劣化を早める要因になります。密閉保存は、これらの酸化や細菌増殖を防ぐために有効です。
(出典元: USDA「食品の保存に関する基礎知識」)
(出典元: Healthline「保存方法と食品の安全性」)
3.【保存法まとめ】おいしさと鮮度は「密閉+低温」
- できるだけ空気が入らない容器で密閉
- 脂質や風味を気にしないならオイル漬け+密封の方が安全
- 5~60度になる保管場所は避ける(冷蔵か冷凍保存)
- 冷蔵は3日・冷凍は1ヶ月が食べられるリミット
真空パック機の家庭用と業務用の違いは?
真空パック保存は便利で経済的?
上記の疑問はQ&Aにまとめてあります。気になる方はご覧ください。Q&Aにジャンプ
大失敗したときの対策
大量に生煮え状態 or カチカチ状態
熱が入りすぎて中までカチカチになってしまった
この場合はズバリ、細かくして鶏そぼろにしましょう。キッチンばさみや包丁で切っても良いですが、フードプロセッサーで一気に細かくしたほうが食べやすいです。
細かくしたら、あとはフライパンに入れてひたすら汁気を飛ばします。味付けはお好みで。醤油とみりんと人工甘味料(パルスイートなど)を使うと、ご飯と合う味付けになりますよ。
ご飯のお供にぴったりな低脂質鶏そぼろ
※上記動画の調味料の割合は少し濃いと感じました。
醤油:10ml/100g(鶏胸肉)
みりん:0.8ml/100g(鶏胸肉)
酒:0.8ml/100g(茹でる際に使用しているので不要)
パルスイート:0.5g/100g(鶏胸肉)
醤油の量は半分の5ml/100g(鶏胸肉)でも良いと思います。
食べ飽きない味付け
食べ飽きたときは「さっぱり系」の味付けがオススメ
飽きずに食べきる方法が知りたい
この場合もまずは細かくしましょう。
さっきと同じ?という声が聞こえてきそうですね。しっとり柔らかく仕上がった状態なら、改めて加熱して鶏そぼろにするのはもったいないです。
細かくしたら下記のものでさっぱり系の味付けしましょう。
- 1.梅肉
- 2.しそドレッシング
- 3.ゆかり
- 4.ポン酢(例:味ポン)
- 5.リンゴ酢+めんつゆ
大人の味付け
大人は香辛料などの「刺激系」の味付けがオススメ
家族が大人だけの場合にオススメなのが香辛料を使った「刺激系」の味付け。香辛料やハーブを用いると料理が一気にグレードアップします。といっても難しいことはありません。基本的にかけるだけです。
- 1.粗挽き胡椒/ブラックペッパー
- 2.粒マスタード
- 3.七味
- 4.明太マヨネーズ
- 5.香味ラー油
Q&A
Q1.料理用日本酒と塩の役割は?
料理用日本酒の役割
料理用日本酒に含まれるアルコールは、肉のタンパク質を変性させ、肉を柔らかくする作用があります。また、日本酒にはアミノ酸や糖分が含まれており、これらが肉に浸透することで旨味が増し、料理全体の風味が豊かになります。
さらに、日本酒のアルコールは肉の臭み成分を揮発させ、臭みを和らげる効果もあります。料理用日本酒には塩が入っていることも多いので、塩を別途加える必要がない場合もあります。
塩の役割
塩を使用することで、肉のタンパク質が変性し、水分を抱え込む性質があります。これは、塩のイオンがタンパク質の構造を変え、水分を引き込むことで、肉がしっとりとやわらかくなる現象です。
さらに、塩は肉の細胞壁を破り、水分の流出を防ぎます。このプロセスにより、塩は肉の柔らかさと風味を保つ効果があります。
Q2.普通の日本酒と料理用日本酒の違いは?
アルコール度数
料理用日本酒は、通常の飲用日本酒よりもアルコール度数が低いことが多く13~14度。普通の日本酒は通常、料理用日本酒よりもアルコール度数が高く、15-20度前後。
塩や調味料の添加
普通の日本酒は純粋な米、水、酵母、麹だけで作られており、塩やその他の調味料は添加されていません。
一方、料理用日本酒には塩やその他の調味料が添加されている場合があります。これは、料理に特化した風味を出すためと、飲用としての利用を避けるためです。特に塩が添加されていると飲用には適しません。
用途
飲用の日本酒はそのまま飲むために作られており、味わいや香りを楽しむためのものです。もちろん、料理にも使うことができますが、料理用日本酒とは風味やコストの面で違いがあります。
料理用日本酒は料理の風味を向上させるために作られており、煮物、焼き物、蒸し物などの料理に広く使用されます。特に肉や魚の臭みを消す効果や、料理にコクや甘みを加える効果があります。
価格
飲用の日本酒は、その品質に応じて広い価格帯があります。高品質な日本酒は高価であり、その風味や香りが重視されます。
料理用日本酒は通常、飲用の日本酒よりも安価です。これは、品質が飲用ほど重視されないためであり、料理に使うためのコストを抑えるためです。
違いのまとめ
アルコール度数:料理用日本酒は低め、普通の日本酒は高め
成分:料理用日本酒には塩や調味料が添加されていることが多い
用途:料理用日本酒は料理の風味を引き立てるため
価格:料理用日本酒は通常安価
Q3.しっとりおいしく仕上げるための調味料等をもっと知りたい
料理用日本酒や塩の他にもやわらかくしっとり仕上げるための素材があります。主な役割ごとに一覧にしましたので参考にどうぞ。複数の役割がある素材は重複記載しています。
肉に水分を取り込み柔らかさを保つ
1.料理用日本酒
使用タイミング:漬け込み/加熱
2.塩
使用タイミング:漬け込み/加熱
3.砂糖
使用タイミング:漬け込み/加熱
4.片栗粉
使用タイミング:加熱
臭みを消す
1.料理用日本酒
使用タイミング:漬け込み/加熱
2.ローリエ
使用タイミング:漬け込み/加熱/アルミホイル包みによる余熱/保存
3.ショウガ
使用タイミング:漬け込み/加熱/アルミホイル包みによる余熱/保存
4.ニンニク
使用タイミング:漬け込み/アルミホイル包みによる余熱/保存
5.ローズマリー
使用タイミング:漬け込み/アルミホイル包みによる余熱/保存
6.タイム
使用タイミング:漬け込み/アルミホイル包みによる余熱/保存
7.ブラックペッパー
使用タイミング:漬け込み/アルミホイル包みによる余熱/保存
8.オイル類(オリーブオイル/ごま油/他)
使用タイミング:漬け込み/保存
9.マリネ液(オリーブオイル+ニンニク+レモン汁+ハーブなど)
使用タイミング:保存
タンパク質を分解し柔らかくする
1.塩
使用タイミング:漬け込み/加熱
2.パイナップル
使用タイミング:漬け込み
3.パパイヤ
使用タイミング:漬け込み
4.ヨーグルト
使用タイミング:漬け込み
5.塩麹
使用タイミング:漬け込み
6.ショウガ
使用タイミング:漬け込み/加熱/アルミホイル包みによる余熱/保存
鮮度を保つ
1.オイル類(オリーブオイル/ごま油/他)
使用タイミング:漬け込み/保存
2.マリネ液(オリーブオイル+ニンニク+レモン汁+ハーブなど)
使用タイミング:保存
Q4.あらかじめ漬け込まないの?
例えば「ブライン液」に漬ける方法です。ブライン液で漬け置きする方法にはふっくら仕上がる他に「風味が良くなる」という利点があります。
ご夫婦だけの場合や、時間に余裕があるご家庭には向いている方法です。おいしさや食感をグレードアップしたい人は是非試してみて下さい。
逆に、10代のお子様がいるご家庭、人数が多いご家庭には不向きです。容器と保管スペースと待ち時間が必要になるため、私はあらかじめブライン液に漬けることはしません。
ブライン液とは
ブライン液とは、塩水に砂糖やハーブなどを加えた液体です。この液体に鶏胸肉を漬け込むことで、肉が水分を吸収し、加熱中に失われる水分を補います。さらに、塩が肉のタンパク質を分解することで柔らかく仕上がります。
Q4.茹でる前に下味はつけないの?
私は下味をつけません。理由は3つあります。
1.食べるときに味付けを決めたい
2.下味が濃くなると後で調整できなくなる
3.待ち時間と材料消費と清掃作業が増える
Q5.茹で汁の活用法は?
いろいろあります。
モヤシを茹でる
マロニーや春雨を茹でる
スパゲッティーを茹でる
そうめんを茹でる
等々
Q6.真空パック機を使うのはアリ?家庭用と業務用の違いは?便利で経済的?
冷凍保存を積極的に活用しているご家庭ならオススメです。真空パックによる保存のメリットは次の3つ。
1.酸化防止:空気に触れないことで酸化を防ぎ、肉の風味や栄養素を保つ
2.微生物の抑制:空気中の微生物が繁殖するのを防ぎ、食中毒のリスクを減らす
3.鮮度保持:酸化や細菌の影響を抑えることで、食品の鮮度を長持ちさせる
ただし、家庭用の真空パック機に上記のメリットを期待し過ぎてはいけません。その理由は家庭用の簡易的な真空パック機は「真空度が弱い」からです。
通販やスーパーマーケットの真空パックは業務用の大掛かりな機械を用いています。その機械は当然ながら高価。安くても50万円はします。真空パックの袋も業務用の本格的なものです。
パッと見た感じは同じでも「真空度が高い」ので期待される効果は雲泥の差です。業務用の機械は「素材の中の空気」まで抜くことができます。一方、家庭用は「素材の周囲の空気」しか抜くことができません。
また、真空パック袋のコストも掛かるので、よくよく考えて導入しましょう。家庭用の機械は1,000円台からありますから試してみるのも一つの手です。
「真空度」や真空パック機の選び方について知りたいは下記のサイトをご覧下さい。
Q7.お子様に食べさせても大丈夫?離乳食にしても大丈夫?
条件付きでOKです。
この記事では茹でる際に料理用日本酒の使用を提案しています。懸念は料理用日本酒のアルコールがお子様に悪影響を及ぼすか否かでしょう。
料理用日本酒のアルコール度数は13~14度。普通の日本酒15~20度よりも低めです。料理用日本酒を用いることを前提として、この記事で記載している手順と分量を守ればアルコールは揮発します。
よって、お子様が食べても問題ありません。
離乳食にする場合の注意点!
ただし、離乳食の場合は細心の注意が必要です。条件付きという理由はここにあります。
1.しっかり加熱して完全にアルコールを飛ばす(5分以上推奨)
2.塩分に注意(水で軽く洗い、塩分を取り除く)
3.茹でた鶏胸肉を細かく刻む
4.野菜スープや湯冷ましを加えてミキサーでペースト状にする
未成年にアルコールは言わずもがなですが、赤ちゃんには塩分も注意が必要です。
塩分が多いと赤ちゃんの腎臓に負担をかけるので、口に入れる段階で極力塩分が残っていないようにしましょう。
鶏胸肉には赤ちゃんの成長に必要な鉄分やビタミンB群が豊富に含まれいます。細心の注意を払った上で是非食べさせてあげて下さい。
(出典元: 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」)
Q8.鶏肉アレルギーについて知りたい
鶏肉アレルギーは、鶏肉を摂取した際に免疫システムが異常反応を起こすことによって引き起こされるアレルギー反応です。
このアレルギーは、呼吸器や消化器、皮膚などに影響を及ぼす様々な症状を引き起こす恐れがあります。
鶏肉アレルギーは、鶏肉に含まれるタンパク質が原因となることが多く、特に「アルブミン」や「ミオシン」といったタンパク質がアレルゲンとして知られています。
アレルギー反応は、免疫システムがこれらのタンパク質を異物と認識し、過剰に反応することで発生します。鶏肉アレルギーの発生率は比較的低いものの、食物アレルギーの一種として注意が必要です。
(出典元: アレルギーポータル「食物アレルギー」)
具体的な症状は下記のとおりです。
1.呼吸器症状
鶏肉を食べた後に突然の息苦しさを感じる。
咳や喘鳴(ゼーゼー音)が止まらなくなる。
2.消化器症状
鶏肉料理を食べた後に胃の不快感や腹痛が起こる。
食後に嘔吐を繰り返す。
3.皮膚症状
鶏肉を食べた直後に皮膚に赤い発疹が出る。
皮膚がかゆくなる、腫れる。